無線工学. 第2ブロック
第3章/無線通信装置

学習のポイント

DSB無線電話装置
音声信号で搬送波を振幅変調したとき、搬送波を中心に両側に側波帯を生じます。
これら全て(搬送波と両方の側波帯)を伝送する方式をDSB(両側波帯)方式といいます。
  • ① 側波帯は、上側を上側波帯、下側を下側波帯といい、これら両方の側波帯を含めた帯域幅を占有周波数幅といいます。
  • ② DSB送信機は、マイクロホンから入った音声信号で搬送波を振幅変調し、両側波帯を保持したまま伝送するための設備です。
  • ③ DSB受信機は、アンテナで受信したDSB方式の電波を復調し、元の音声信号を取り出すための設備です。
SSB無線電話装置
振幅変調で生成した上下両方の側波帯のうちいずれかの側波帯のみを使用して伝送する方式をSSB(単側波帯)方式といいます。
  • ① SSB送信機は、マイクロホンから入った音声信号で搬送波を振幅変調し、上下両側波帯のうちいずれか一方の側波帯を取り出して伝送するための設備です。
  • ② SSB受信機は、アンテナで受信したSSB方式の電波を復調し、元の音声信号を取り出すための設備です。
FM無線電話装置
FM方式は、周波数変調した変調波を伝送する方式です。
  • ① FM送信機は、マイクロフォンから入った音声信号で搬送波を周波数変調し、伝送するための設備です。
  • ② FM受信機は、アンテナで受信した周波数変調された電波を復調し、元の音声信号を取り出すための設備です。
無線電信
無線電信は、搬送波を電けんの操作で断続して、モールス符号を伝送する方式です。
  • ① 一般的には、SSB送信機に電けんを接続して搬送波を断続して送信し、SSB受信機を利用して可聴周波数のモールス信号に復調します。
  • ② 無線電信の搬送周波数の波形は、電源の電圧変動率が大きい場合や電源平滑回路が不完全な場合には異常な波形になります。
このほか、アマチュア無線では、データ通信、テレビジョン伝送、ファクシミリ伝送、RTTYなどの通信方式が利用されています。